フォトコンテストは毎年、かなりの数が開催されています。
中には最高賞金が100万円にもなるビッグコンテストもあります。
そんな夢のあるフォトコンテスト、どうせ応募するなら入賞したいですよね。
では、少しでも入賞の確率を上げるためには、どうしたらいいでしょうか。
この記事では、富士フイルム、キヤノン、エプソンなどのフォトコンテストでの入賞経験をもとに、そのコツを紹介します。
この記事の目次
フォトコンテストで入賞するための2つのポイント
フォトコンテストで入賞する作品は大きく2通りしかありません。
フォトコンテストで入賞する作品の特徴
- ストーリー
- インパクト
もしくはその両方。
ドラマ(ストーリー)を感じさせる写真
まず、このブログのタイトルの「ひとコマドラマ」ですが、「ひとコマ」で表現する「ドラマ」を目指して写真を撮りたいという想いを込めています。
フォトコンテストでも、「ドラマ」つまり「ストーリー」が要求されます。
ドラマやストーリーを感じさせる写真とは
- 写真を撮影した瞬間の前後を想像させる
- 被写体どうしの関係を匂わせる
- ユーモアを表現する など
ちなみに、1枚の写真でストーリーを表現するのはなかなか難しいので、組写真がOKのフォトコンテストでは、組写真が上位になることが多いです。
インパクトのある写真
インパクトのある写真とは、人の目を引く写真です。
見る人の目を引く写真とは
- めったに撮れない決定的瞬間
- 異常な状況
- 見たことのないアングル
- 被写体がパッと見て何かわからない など
フォトコンテストでたくさんの写真に埋もれてしまわないためには、インパクトが大事なのです。
風景写真でも同じことが言えます。
どんなに美しく、素晴らしい眺めでも、そこに行けば誰でも同じように撮れる写真では、絶対に選ばれません。
でも、その風景に虹がかかっているとか、雲海が広がっているとか、雷が落ちた瞬間とか、めったに見られない光景ならインパクトがあるはずです。
応募要項をよく読む
応募する前には、必ず応募要項を読みましょう。
まぁ当たり前ですね(笑)
僕はプリントしてから、そのサイズが応募の規定外だったことに気づいて写真をムダにしたことが何度かあります。
応募要項で確認すべきこと
- 用紙のサイズ
- 応募作品数の上限
- 締め切りは消印有効か必着か
- 組写真はOKか
- 撮影期間は当てはまるか
特に、撮影期間は見落としがちです。
せっかく入賞通知が来たのに、作品の詳細を伝えたら規定の撮影期間から外れていたということにもなりかねません。
他にも組写真はテープでつなげるのか、番号をふるだけでいいのかも確認が必要です。
また、横位置の写真しか募集していないフォトコンテストもある(パロマなど)ので注意しましょう。
フォトコンテストの中には、応募規定に
「著作権および肖像権はコンテスト主催者に帰属する」
と書いてあるものがあります。
これは、自分で撮った写真なのに、SNSにアップしたり、プリントしたりする場合にもそのフォトコンテスト主催者に許可を取らなければいけないことになります。
おそらく「うちの会社でも自由に使わせてね!」という意味なのでしょうが、上記の表現では全ての権利を持っていかれてしまうので、応募は避けた方がいいでしょう。
あくまで主催者が得られるのは、その写真の「使用権」です。
審査員の好みを知る
審査員の好みは、入選に大きく関わります。
写真の良し悪しは、点数で決めるわけではないので、結局は審査員の心に響くかどうかが勝負です。
となると、審査員の好みを調べるのは必須というわけです。
僕は、ある写真家が審査員を務めた入賞作品を見ていて、「あれ?これ違う人が審査してるんじゃないかな?」と思ったことがあります。
よく見てみたら、審査員の違う別の年のページを見ていました。
そのくらいになるまで、審査員の好みを調べておくと有利になるでしょう。
過去の入賞作品に目を通して傾向を知る
審査員の好みの話と似ていますが、ちょっと違います。
フォトコンテスト自体の傾向やテーマも研究する必要があるということです。
同じ審査員でもフォトコンテストのテーマが違えば選ばれる傾向も違います。
フォトコンテストの傾向を見る
毎年テーマや審査員が変わる場合でも、コンセプトは一貫している場合がほとんどです。
例えば、ニッコール(Nikon)とキヤノンでは、同じ自由部門でも全くテイストが違います。
ニッコールは現実的、キヤノンは印象的な傾向です。
テーマに合っているかを考える
極端な話をすれば、ネイチャー部門にポートレート写真を送っても絶対に入選しません。
毎年テーマが変わるフォトコンテストもあるので、注意が必要です。
なので、「この写真はどのフォトコンテストに出せるかな?」ではなく、「このフォトコンテスト(テーマ)に出せる写真はどれかな?」という発想の方が、最適な写真を選べるでしょう。
例えば、明治安田生命のマイハピネスフォトコンテストでは、「あなたのいる幸せ」がテーマです。
「幸せ」を感じる写真を自分の写真の中から探します。
さらに応募する前にも、本当にその写真から「幸せ」が伝わってくるかを客観的に見直してみてください。
フォトコンテストは写真マネジメントが命
フォトコンテストは基本的に、過去に入賞したことがある作品は、応募できません。
でも、応募中であることを忘れていて、他のコンテストに応募してしまうことがよくあります。
僕も何度かやらかしたことがありますが、幸い(?)ダブル入選はしませんでした。
ダブル入選してしまった場合は、後の方を辞退しなければいけません。
それが、どんなにいい賞だったとしても・・・。
そんな悲しいことにならないために、写真のマネジメントはしっかりしましょう。
パソコンでフォルダ管理する
僕はパソコンで、フォトコンテスト用のフォルダを作って管理しています。
フォトコンテストに応募できそうな写真は、とりあえずその「フォトコンテストフォルダ」にぶち込みます。
その中で、フォルダに「締め切り日+フォトコンテスト名」で名前を付けて候補写真を選別します。
それを名前順に並べると、締め切りの順に並ぶというわけです。
そして、実際に応募したら「応募中フォルダ」にフォルダごと放り込みます。
これで二重応募を防ぐことができます。
フォトコンテストのスケジュールを管理する
マネジメントで重要なのは、応募締め切り日と入賞通知予定日です。
特に締め切り日を過ぎたら元も子もありません。
なので、僕はスマホのカレンダーアプリのスケジュールに、締め切り日を入れています。
締め切り日の当日に気づいても、間に合わない可能性が高いので、念のため、締め切り日の前日に設定します。
また、入賞通知は入賞者にしか知らされませんが、「入賞者には○月上旬に通知いたします」と書かれていたりします。
その時期を過ぎていれば、パソコンで「応募中フォルダ」から出して、次のフォトコンテストに応募する候補に選別し直します。
フォトコンテストで入賞するには
フォトコンテストで入賞するかどうかは、自分の写真がいかに審査員の目にとまるかが最大のポイントです。
審査員の好みやフォトコンテストのコンセプトに合わせる以外にどんなことに注意するべきでしょうか。
プリント応募は、なるべく大きな用紙で
プリント応募のフォトコンテストの場合、ズラーっと応募作品を並べられて、それを審査員が見て回って、入賞作品を決めていくわけです。
その状況では、大きなプリントにする方が有利です。
例えば、エプソンのフォトコンテストはインクジェットのプリント限定です。
でも、家庭用のインクジェットプリンターのほとんどはA4までしかプリントできません。
なのに、入選しているのはA3やA3ノビばかり。
フォトコンテストは「目立つのが重要」ということがよくわかります。
もちろん、大きくするほどプリント代もかさむので、お財布と相談して決めて下さい。
僕はいつも、A4か六つ切りサイズにすることが多いです。
できるだけ多く応募する
応募数は可能な限り多くしましょう。
応募数に制限がある場合でも、その上限まで応募します。
下手な鉄砲も何とやらで、チャンスは多い方がいいのです。
自分の好みから多少外れていても、審査員の心には偶然突き刺さることもあります。
運も実力のうちです。
富士フイルムやエプソンのフォトコンテストなど、応募数に制限がないものは「迷ったら応募する」が鉄則です。
同じような写真を複数応募しない
同じシチュエーションの写真を複数枚、応募するのは、フォトコンテストではマイナスです。
例えば、同じ被写体でフレーミングを少し変えただけの写真や、連続撮影したときの別カットなどです。
審査員に「自分ではベストショットを選べないので、そちらで選んでください」と言っているようなものです。
自分の表現したい作品を自分で決められないようでは、審査員の心象がよくないのは言うまでもありません。
撮影技術は二の次
モデルの撮影や企業の商品撮影などでは、撮影技術が高くなければダメですが、フォトコンテストにおいては、そうでもありません。
重要なのは初めに書いた通り、「ストーリー」または「インパクト」です。
なので、「これは、なかなか撮れる写真じゃないぞ!」と思ったら、技術は度外視して、とりあえず応募してみましょう。
僕も被写体ブレしている写真や青かぶりしている写真でいい賞をもらったことがありますからね。
過度なレタッチはダメ
フォトコンテストの選評でよく目にするのは、
- 彩度を上げ過ぎているのがマイナスでした
- シャープネスをかげ過ぎたのが残念です
- HDR(ハイダイナミックレンジ)を上げすぎて不自然な印象でした
というコメント。
人間には記憶色というのがあって、頭の中で思い浮かべる色は、実際の色より鮮やかなことが多いのです。
その色に合わせて補正をきつくかけると、プロの写真家である審査員にとっては、「過度」と思われるわけです。
レタッチするときは、レタッチ前の写真と比べてみて、過度にならないように気を付けましょう。
また、実際にプリントしてみて、色合いが不自然でないかをチェックしてから応募しましょう。
プリントでは余白をつける
プリント応募の場合は、余白を付けた方がいいです。
なぜなら、余白がないと周りが数mmカットされてしまうからです。
それと、紙の角がダメージを受けたときに、余白があったほうが写真自体が影響を受けにくいからです。
また、写真データと用紙で、アスペクト比(縦横比)が違う場合に、余白を調節することで、画像をトリミングせずに印刷することもできます。
最適な写真用紙を選ぶ
自宅プリントをする場合は、印刷する用紙選びも重要です。
光沢紙は発色がよく、高級感があります。
絹目調やマット紙は印刷面に細かな凹凸をつけることで、光沢を消しています。
この凹凸のせいでシャープな輪郭や細かなディテールが損なわれてしまうという人もいますが、ポートレートなど柔らかい印象を持たせたい写真に向いています。
また、光沢がない方が、照明を反射しないので、見やすいという利点もあります。
ただ、審査員も光の反射に関しては工夫して見るはずですから、それほど気にしなくてもいいでしょう。
重要なのは写真のイメージに合わせた用紙選びです。
タイトルは見たままではダメ
被写体を見たままのタイトルは避けましょう。
例えば、2歳の子供がボールを蹴っている写真に「サッカー」とタイトルをつけても面白みがありません。
「U-3日本代表」とユーモアを持たせたり、「ライバルは兄」とストーリー性を持たせたり、タイトルにも工夫しましょう。
封筒に入れる前に記入漏れがないか確認
応募作品をプリントして、裏面に応募票を貼り付けたら、封筒に入れる前に記入欄を見直しましょう。
埋めるべき欄は全て記入してあるでしょうか?
特に、テーマが複数ある場合は、その選択をしていないと審査すらしてもらえないので、要注意です。
もちろん封筒の宛先についても、しっかり確認してから送りましょう。
入賞の最大のコツは「日頃からとにかく撮りまくる」
写真を年間100枚しか撮らない人と10万枚撮る人とでは、どう考えても10万枚撮る人が有利です。
フォトコンテストに応募する写真の選択肢が多くなるだけでなく、決定的瞬間を撮れる確率も上がるわけです。
さらに、たくさん撮るほどカメラの腕も上がります。
とにかくどこに行くにもカメラを持っていくのが鉄則です。
いざとなったらスマホでも撮っておきましょう。