前回(第57回)に続き、今回(第58回)も富士フイルムフォトコンテストの表彰式に行ってきました。
今回はフォトブック部門の審査員特別賞です。
昨年と同様に表彰式のあとには懇親会がありました。
やっぱりプロカメラマンのお話を聞けるのは、とても貴重なことです。
それぞれの写真に対する考え方などを知ることができたので、この記事でシェアしようと思います。
この記事の目次
審査員コメント
表彰式での審査員のコメントをまとめてみました。
今後のフォトコンテスト応募の際に、参考になるコメントばかりでしたね。
広川泰士先生(自由部門担当)
選んだ写真は視点の面白さやユーモアなどが表現されているもの。
また過度な加工がされているものはあまり好まない。
写真の技術よりも、撮影者の個性が見える写真がよい。
浅井愼平先生(日本の文化部門担当)
日本の文化というテーマのせいもあって、祭りや伝統行事など、予定されたものを撮った写真が多かった。
中学生のときに、化石がよく出る場所を散策したことがあって、いくつか化石を拾って帰ってきた。
しかし、その後、新聞に同じ中学生が同じ場所でデスモスチルスという恐竜の化石を発見したと掲載された。
発見されたのは自分が散策した日と同じ日だった。
つまり、みんなと同じ景色を見ていても、視点を変えて見ることや発見しようとする意識が大切だということ。
写真も同じで、他の人と視点を変えて、発見することが大切。
写真は発見を伝えるもの。
また、その写真は出かけなければ撮れない。
積極的に写真を撮りに出かけましょう。
川隅功先生(ネイチャー部門担当)
今回の富士フイルムフォトコンテストの応募の1/3以上(約12000点)がネイチャー部門だったので、3日間写真を審査し続けた。
選んだ理由は上手く表現できないが、感情を揺さぶる写真だと思う。
また、写真が趣味の人は、機材にはお金をかけるが、プリントは手を抜きがちになってしまう。
写真はプリントまでが表現である。
榎並悦子先生(フォトブック部門担当)
フォトブックはいい写真が1枚だけではダメ。
今回の大賞の被写体だった「ヤギ爺」は、あとがきの中で一昨年に亡くなったと書いてあった。
写真は記録の要素があり、あとで見直すと亡くなった方でも作品として生き返る。
フォトブックにすることで、その人の人生や関係性を物語のように残すことができる。
ちなみに、コメントの際に、僕の作品について言及して下さいました。
森本美絵先生(特別テーマ部門担当)
欠席のためビデオメッセージでした。
写真の考え方などのお話はなかったので、割愛します。
撮影者コメント
今回グランプリの鹿の耳の作品。
初めて見る人には「貝殻の写真ですか?」と聞かれることが多いそうですが、これは奈良公園の鹿の耳だそうです。
奈良公園にはメスの鹿が集まる一角があって、そこに係りのおばさんがエサを一直線に撒くと、鹿の耳が並んだ光景になったのだとか。
それを光の向きを考えながら撮影したとのことでした。
その他の作品コメントについては割愛します。
第58回富士フイルムフォトコンテスト:まとめ
今回は広川泰士先生や浅井愼平先生のコメントにあるように、独自の視点や発見が評価された回だったと言えます。
何気なく通り過ぎてしまうような光景も、見方を変えれば素晴らしい作品になり得るということです。
ネイチャーについては、それに加えて偶然性がモノを言いますね。
カメラを持ったら、周りの全てが被写体であるということを意識しておきたいですね。
