一眼カメラをとりあえず買って、何を被写体にすればいいか困っている人がよくいますが、そんな人にはマクロ撮影がおすすめです。
なぜならマクロ撮影は何でも画になるからです。
身近な花や小物もクローズアップして撮るだけで、普段と全く違った世界を写し出すことができます。
マクロレンズが1本あるだけで、写真の表現の幅がぐっと広がります。
そんなマクロ撮影の魅力をご紹介します。
この記事の目次
マクロ撮影の魅力とは

前述の通り、マクロ撮影は何を撮っても画になります。
しかも背景がキレイにボケるので、幻想的な写真になります。
上の写真は桜をマクロレンズで撮ったのですが、背景が曇り空で白くなっていて、ボケもキレイに出ていますね(自画自賛)。
マクロ撮影の被写体は?
正直なところ、被写体はなんでもOKです。
何を撮っても見慣れない景色になるからです。
マクロ撮影の被写体選びについて、僕の作例を交えてご紹介します。
花

マクロ撮影と言えば花ですね。
それに、花ならどこにでも咲いているので、ふらっと散歩に出るだけでも被写体に困ることはありません。
めしべやおしべをクローズアップしてみたり、花びらのフチだけを撮ってみたり、花の裏側から撮影してみたりと、いろいろなパターンで楽しめます。
ただし花のマクロ撮影は、どうしても「よくある写真」になってしまうので、作品とする場合はかなりの工夫が必要です。
昆虫

昆虫は好き嫌いが分かれますが、撮り続けていると面白い作品が生まれると思います。
テントウムシ1つ取っても、色々な模様があるので組写真にしたら面白いかもしませんね。
ただし、昆虫は近づくと逃げてしまうので、焦点距離の長いマクロレンズが必要になるでしょう。
子供の手足

生まれたばかりの赤ちゃんがいる場合は、小さくて可愛い手足を撮影しましょう。
手足だけでなく、目や顔を撮っておくのもいいですね。
子供はすぐに大きくなるので、その小さなサイズ感は今だけですよ。
身近な小物
ビー玉やコップ、ジオラマなど、身近な小物でも被写体になり得ます。
最近では、ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也氏が注目されています。
ジオラマの人間たちがブラシを刈り取る写真など、発想が秀逸です。
水滴

草花などに水滴を付けて、その水滴にピントを合わせて撮るのも王道ですね。
水滴は逆光で撮ると、水滴に光が入ってキラキラした美しい写真になります。
背景に花などを置いておくと、水滴の中にその花が映り込んで見えるという手法もあります。
他にも、窓ガラスに付いた水滴や、水面に水滴を落とした瞬間を撮影することもありますね。
ただ、このパターンの写真も出尽くした感があるので工夫が必要です。
上の写真は、雨上がりの公園で撮りました。
あえて露出をアンダーにして、バラの赤と水滴が目立つようにしました。
マクロ撮影の注意点とコツ
マクロレンズは、通常のレンズとはちょっと違うので、撮影の際にも気を付けるべきことがあります。
それに加えてマクロ撮影のコツもご紹介します。
できれば三脚を用意
マクロ撮影では、できれば三脚があった方がいいです。
マクロ撮影はクローズアップしている分、小さなブレが画面上では大きなブレになるからです。
大がかりな三脚ではかさばるので、脚の変形がタコのように自由なミニ三脚なども便利です。
外で花などを撮影する場合は、風で揺れるので、三脚を立ててもピントはなかなか合いません。
そんなときや手持ちでマクロ撮影する場合は、なるべくシャッタースピードを上げるなど、ブレない努力が必要です。
手持ちマクロ撮影のコツ
三脚を使わない手持ちのマクロ撮影では、ピントを合わせてから少しでも手元が前後すると、ピントが外れてしまいます。
そんなときはコンテニュアスAF(AF追尾)にして、親指AFを駆使すると便利です。
それでも思った位置にピントが来ないことも多いので、ピントをマニュアルにするのも手ですね。
ピントリングを回しながら連写するのを繰り返します。
そうすれば、何枚かは狙った位置にピントが来ている写真が撮れるでしょう。
極小のものは長めのレンズを使う
極小のものを撮るクローズアップ写真では、長めの焦点距離(100mm以上)をおすすめします。
なぜなら、焦点距離が短いレンズで最大限に寄ると、レンズと被写体の距離が数cmになってしまって、撮影が難しくなります。
例えば近寄りすぎて被写体がレンズにぶつかってしまったり、レンズの影が被写体に重なってしまったりするのです。
照明を周りに複数の照明を設置したり、撮影ボックスを用意したりして対策しましょう。
レンズが被写体にぶつからないように注意
マクロレンズはとにかく被写体に寄れるので、下手をすると被写体がレンズにぶつかってしまうことがあります。
特に枝ものの花(桜や梅)を撮っていると、被写体に夢中でレンズに枝が当たって傷つけてしまうことがあります。
なので僕は、レンズの保護フィルターをつけて撮影しています。
保護フィルターはレンズの性能を落とすと言われることもありますが、装着していてもほとんど差がわかりません。
うっかり傷つけてしまいそうな人は保護フィルターを装着しましょう。
マクロレンズは普段の撮影にも使える
マクロレンズはクローズアップ写真しか撮れないと思われがちですが、実は普通の単焦点レンズとして使えます。
普通の単焦点レンズとの違いは「被写体にものすごく近寄っても使える」ことだけです。
なので子供との散歩のお供にマクロレンズを装着した一眼カメラを持って行けば、道端の花や虫をクローズアップで撮影し、レンズを替えずに子供の遊ぶ姿も撮影できる優れものです。
