プリンター業界で1位・2位を常に争っているエプソン。
今回は、そのエプソンのフォトコンテストについて分析します。
このフォトコンテストはグランプリ賞金が100万円のビッグコンテストです。
他のフォトコンテストと違うのは、インクジェットプリンターでのプリント限定のフォトコンテストだということ。
ではそのエプソンフォトグランプリの入賞戦略を徹底的に考えてみましょう。
この記事の目次
グランプリ賞金100万円でも佳作は賞状のみ
グランプリ賞金が100万円にものぼる夢のあるフォトコンテストです。
さらに部門別の優秀賞は30万円。
以下10万円、1万円と続きますが、佳作は賞状のみという落差の激しいコンテストです(2018年現在)。
インクジェットプリンターのプリント限定
エプソンフォトグランプリは、インクジェットプリンターでプリントしなければいけません。
富士フイルムフォトコンテストは銀塩プリント(お店プリント)限定ですが、それとは違って自宅で仕上げる必要があります。
※自宅以外でインクジェットプリンターを使う方法は後述します
しかもその仕上がりも少なからず評価に影響しているようです。
A3またはA3ノビが圧倒的有利
エプソンフォトグランプリの入賞作品のWEBページには、応募時のプリントサイズが記載されています。
それを見ると、ほとんどがA3かA3ノビです。
大きいものではA2サイズも入賞しています。
家庭用プリンターでは、大抵A4までしかプリントできないので、応募の多くが六つ切りかA4サイズだと思われます。
それでも入賞するのは大判ばかり。
僕がエプソンで入賞したときに、入賞作品の展示会場に行きましたが、応募された写真がそのまま展示されていました。
そして、上位は用紙サイズの大きいものばかりが占めていて、A4で応募した自分の写真がとても小さく見えました。
大判でプリントするのは、それだけ自信のある作品なのだから、入賞しやすいといとも言えますが、少なくとも大判の方がインパクトでは勝るでしょう。
審査員の選評でも「A3で大きくプリントされていて」など、大きいことが有利な印象を受けるコメントも見受けられます。
プリンター会社主催なので、作品の作り込みまでが評価対象なのでしょう。
審査員は変わらない
審査員はここ何年も田沼武能氏と三好和義氏が務めています。
審査員が変わらないので傾向はつかみやすいかもしれません。
エプソンフォトグランプリは4部門
エプソンフォトグランプリには4つの部門は以下の通り。
- ネイチャー部門
- ヒューマンライフ部門
- 学生部門
- モノクロ作品部門
それぞれの部門について分析してみましょう。
ネイチャー部門
ネイチャー部門は、風景は少なく、生き物をテーマにした作品が優勢です。
ネイチャーライフ部門という印象です。
ただし、もともと風景写真の応募が少ないだけの可能性もあるので、風景が入賞しにくいと言い切ることはできません。
でも、風景写真を撮っている方は、富士フイルムの方が合っているかもしれません。
ヒューマンライフ部門
ヒューマンライフ部門は、文字通り人の生活・生き様を表現するため、やはり組写真が有利のようです。
作品によっては40枚を超えるなど、見るだけで大変そうなものもあります。
ヒューマンライフというテーマなだけあって、傾向としては、ドキュメンタリー的な写真が好まれるようです。
モノクロ部門
2018年から新たにモノクロ部門が新設されましたが、ネイチャー部門やヒューマンライフ部門とは毛色が違います。
なぜならモノクロという表現手法が決められているだけで、テーマは設けられていないからです。
つまりテーマは自由なのです。
なので部門の振り分けも難しくなっています。
ちなみにモノクロ部門は応募数が少なそうですが、佳作が設けられていないので、入賞確率としては微妙なところですね。
個人的には、モノクロを棲み分けせずに、2017年までの方式で、各テーマ部門にモノクロ賞を設けた方が、理にかなっているような気がします。
学生部門
こちらもテーマは自由です。
2017年の学生部門の優秀賞は秀逸です。
明暗を上手く使って、センスが光っています。
学生部門でなくても十分上位に入賞していたように思います。
アンダーな写真でまとめられていて、インクを相当使っただろうなと心配してしまいます(笑)
epSITE(エプサイト)を利用すれば大判で印刷が可能
新宿三井ビル1階にあるepSITE(エプサイト)のプライベートラボを利用すると、家庭用プリンターでは難しい大判もインクジェットプリンタでプリントできます。
ちなみに完全予約制です。
エプソンフォトグランプリは作品サイズの上限がありません。
極端な話、A0サイズでもB0サイズでもOKです(カメラの画素数が足りないかもしれませんが・・・)。
しかも2018年からは、その場で応募が可能になりました。
料金は、年会費(5000円)+基本料金(2時間3650円~)+用紙代(インク代含む)となっていて、軽く1万円近くかかります。
新宿近郊に在住で、お財布に余裕のある人には便利でしょう。
また、他のフォトコンテストでも使えるように大量に印刷しておきたい人や、1年に何度も使う機会がある人には便利です。
家庭用プリンターもインクなどのランニングコストや故障のリスクがあるので、料金的にはあまり変わらないかもしれませんね。
エプソンフォトグランプリの難易度は高め
毎年1万数千点の応募があり、最近は賞の数も減ったので、難易度は高めです。
でも、入賞すればステータスになるレベルの大きなコンテストです。
ただ、前述の通り、インクジェットプリンタでのプリントという部分で、参入障壁はやや高めです。
また、2017年からエプソンフォトグランプリとは別に、meet up!-selection-というフォトコンテストがエプソン主催で新設されました。
応募する側としては、どっちに応募したらいいか迷うところですが、meet up!は自分のスタイルを持っている個性的な写真という感じがします。
この新コンテストの影響で、賞の数が減らされてしまいました。
そのためさらに難易度が上がってしまいました。
まとめ
エプソンフォトグランプリは、生命感や生活感、つまり「Life」が表現されている写真が選ばれる傾向にあります。
難易度は、例年の応募作品数や賞の数から考えると高めと言えます。
また自宅に大判印刷ができるインクジェットプリンターがないとやや不利ですが、逆に持っている人は有利です。
さらに、インクジェットプリンターで、大判印刷で、組写真となると、応募コストもかなりかかります。
さらに大判を郵送するとなると送料も跳ね上がります。
なのでハードルも高めと言えるでしょう。