「そのレンズ50mmなの?35mm換算で75mmってことだからポートレートにはちょうどいいね!」
とか言われたことはありませんか?
僕は一眼レフ初心者の頃は、「換算?レンズを?」と、さっぱりわかりませんでした。
換算のしかたを聞いても、イマイチその必要性がわかりませんでした。
この記事では、そんな初心者の方でも35mm換算がわかるように解説します。
読み終える頃にはきっと使いこなせるようになるでしょう。
同じレンズでもカメラが違うと焦点距離が違って見える
一眼レフカメラを買うときに、「フルサイズ」とか「APS-C」という記載があったと思います。
これらは何かというと、イメージセンサーのサイズです。
イメージセンサーというのは光を読み取る部分、つまり昔で言うフイルムの部分です。
そのイメージセンサーが大きいほど広い範囲で光を捉えられるので、一般的に画質も値段も高くなります。
僕が持っているカメラはAPS-Cなのですが、フルサイズとどのくらい違うかというと以下の図のようになります。
面積で言うと2.3倍くらいですが、辺の長さで言うと1.5倍くらいです。
APS-Cを真ん中にもってくると、
こんな感じになります。
これにレンズから入ってきた光(映像)を重ねてみましょう。
では、このサイズの違うイメージセンサーでそれぞれ写真を撮る、つまり画像として切り取ると・・・
こうなります。
比べてみるとAPS-Cの方が拡大されて見えますよね。
このように同じレンズで、同じ場所から撮影しても、使用するカメラによって、レンズの焦点距離が違って見えてしまうのです。
となると、「焦点距離50mmのレンズで撮影しました」といっても、フルサイズカメラのユーザーと、APS-Cカメラのユーザーでは、感覚が違うのです。
写真に写る範囲のことを画角と言いますが、カメラによる画角の違いを統一しようという考え方が「35mm換算」です。
正確には「35mm判換算焦点距離」といい、「35mm判換算」と言われることもあります。
ちなみに、「35mm換算」の由来は、昔のフルサイズのフイルムの幅が35mmだったから。
センサーの幅は36mmなので、なんだかややこしいですね。
35mm換算とはフルサイズのカメラに置き換えること
使っているカメラが違っても、みんながフルサイズに換算して計算すれば、画角をイメージしやすくなりますよね。
なので、カメラ雑誌などで、撮影時の設定内容が載っている場合、カメラのセンサーサイズのことも考える必要があります。
例えば、「私はモデル撮影では、135mmのレンズを愛用しています」と書いてあったとします。
でも、それを参考にしようと思っても、フルサイズカメラでの話なのかAPS-Cでの話なのかわかりません。
(プロがAPS-Cのカメラなんて使わないだろ!というツッコミは抜きでお願いします)
なので「35mm換算で135mmのレンズ」と言えば、どのカメラを使う人にもわかりやすいわけです。
35mm換算の公式は超かんたん!
では実際に「35mm換算」の公式を使って計算してみましょう。
公式というと急に拒絶反応を示す人がいますが、そんなに難しくありません。
使っている焦点距離に、ある数値をかけ算するだけです。
その数値というのは、
●APS-C(Canon):1.6倍
●マイクロフォーサーズ:2倍
これだけです。
この数字はさきほどの、センサーサイズの幅の比率です。
ちなみに、マイクロフォーサーズはAPS-Cよりさらに小さいセンサーサイズです。
上記以外のセンサーサイズで35mm換算することはほとんどないので、覚えるのは上記の数値だけでOKです。
むしろ自分のカメラの数値だけ覚えておけば問題ありません。
では実際に35mm換算をしてみましょう。
50mm×1.5倍=75mm
簡単ですよね。
つまり、
APS-Cのカメラ(Nikon)に焦点距離50mmのレンズを付けて撮影した場合、フルサイズのカメラに焦点距離75mmのレンズを付けて撮影すれば、同じような画角の写真が撮れるというわけです。
逆にフルサイズユーザーが、APS-Cユーザー向けに換算する場合は1.5でわり算すればOKです。
センサーサイズと35mm換算:まとめ
同じレンズを使っても、装着するカメラによって見え方(画角)は変わります。
その見え方の違いを統一するために、「35mm換算」をします。
これで、一眼カメラユーザー同士でレンズや画角の情報を共有しやすくなるわけです。
公式は簡単で、自分のカメラの数値だけ覚えておけば問題ありません。
これであなたも35mm換算マスターです!(なにそれ)
実際はこのイメージサークル全体に映像が映っています。